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いつも同じ子ばかり○○してしまう~あなたなら どうする?~

こんにちは!

子どもの育ちを応援します!

一般社団法人そだち内田淑佳(うちだよしか)です。

 

今日は、保育士試験の過去問集の中に
興味深い事例がありましたので
ご紹介します。

 

平成26年 保育原理 問14

【事例】
5月。4歳児クラス。
給食準備の場面。支度の済んだ子どもがエプロンをつけ、給食準備を手伝っている。
(園のエプロンのようです、お手伝いする人数分のエプロンがある)


A君は給食準備のお手伝いをしたくて「早い者勝ちだよ」と言いながら、手早く支度をし、毎日エプロンをして給食準備のお手伝いをしている。
B君も準備を手伝いたいが、支度が遅くなってしまい、お手伝いが出来ずにいた。
それでも、早く支度を終えようと数日、がんばるが、今日もあと一歩のところでエプロンがなくなってしまう
とうとう目に涙をためて立ちつくすB君。
保育士が「B君も一生懸命支度したんだけど、エプロンがなくなって悲しがってるよ」と言うと、A君は「だって早いもん勝ちだもん」と言う。
保育士が「B君悲しそうだよ。涙いっぱいだね」と言うと、A君は「だって…」と、少し考えてから、「あした、B君にお手伝いしてもらおうか」と言う。
保育士は「いい考えだね。B君よかったね」と語りかけた。

 

 

この後、設問があって、保育士の対応について適しているか否か、を問われるのですが、
どうですか?

 

問題の答えは
「5月という時期を考えると、A君、B君の給食準備を手伝いたいという気持ちを受け止めることが大切なので、この対応でよい」
が、最も適切だとなっています。


設問の中には
「子ども同士で考えるとこのようなトラブルが発生するので、保育士が当番を決めるのがよい」
というものもあります。
もちろんこれは不適切。
子どもはトラブルを経験しながら相手の気持ちを理解できるようになるのであり、それを未然に防ぐような対応は適切でない、と解説書にもあります。


どうでしょう?トラブルを未然に防ぐ手立て…してしまっていませんか?


お当番を「決めて」いる園さんは、多いように思います。
もちろん、決めることがワルイこと、とまでは言えませんが、このようなトラブルを経験して、他の子どもたちにも感じるものがあって、子どもたちから「順番にしようよ」という声があがってくることが望ましいですね。
つまり、「自分たちでルールを作る」ということ。「ルールは自分たちが決める」が経験できるといいなと思います。

 

また

このような事例では、B君に対する配慮は、現場でもよく出来ていると思います。B君の気持ちを受け止める、寄りそう。


しかし、A君の気持ちについては「自分ばっかりしてしまって、それではいけない」と、寄りそえていないことが多いように思います。
大人の価値観で「よくないこと」としてしまって、「それはよくない」と接してしまうのです。

 

もちろん、A君には、

B君や他の子も気持ちも考えて、ゆずったり、順番にしたり出来るようになって欲しいと思います。
でも、それは
A君自身が、そういう「気持ち」になって欲しい、ということですよね?
A君自身に、そういう力をつけて欲しいワケです。

 

どうしたら、A君の中に、そういう「気持ち」が生まれるでしょうか。

 

B君に譲るように促すこと、ではありませんね。
それでは「先生に言われて、譲った」にすぎません。

 

「B君の気持ちも考えて」と言いたいですね。
それをこの事例では、
「B君悲しそうだよ。涙いっぱいだね」という
声かけをしています。

素晴らしいですね。


「相手の気持ちを考えなさい」という指示を
B君の姿をそのまま伝えることで、
A君自身に考えるきっかけを作っているのです。

 

そしてこれは、B君にとっても
「そのままの姿を認めてもらった」つまり
B君を受け止めていることになります。
A君に掛けた言葉なのですが、ちゃんとB君を受け止めているのです。

 

そして、この先生は、

A君の「自分ばかり」「早いもの勝ち」という部分に対して、

決して否定をしていないのです。

「それはよくない」と一言も言っていません。

 


私たちは、自分で思っている以上に
子どもたちの世界に介入してしまっています。
正確に言うと、「大人の世界に適応させようとしてしまっている」です。

もちろん、将来は「大人の世界」に適応できることが望ましいので、
一生懸命「教えよう」としてしまうのですが、
「気持ち」を「教える」ことは出来ません。

 

「気持ち」は、その子自身が、様々な経験から、
自分自身が「感じる」ことでしか、育っていきません。

 

大人が「それはよくない」と「教える」のではなく、

子ども自身に

「それはよくない」と感じてもらうこと。

辛い思いをしている人を見て、自分の「心」が動くことが

大事なのです。

 


 「行動」を決めるのは「気持ち」です。

ですから、私たちは、

「行動」を「教える」のではなく、
どのようにして「気持ち」を育んでいくのか、
どんな経験が、その子にどんな「気持ち」をもたらすのか、

それを考えて、子どもと関わることが大事なのです。

 

さぁ、「あした」になったら、A君は、どうするでしょう?
B君に「エプロンどうぞ」と言ったら、
あなたはどうしますか?

 

もし、前日のことは忘れてしまって
同じことを繰り返したとしたら…?

あなたなら、どうしますか?

 


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一般社団法人そだち

代表&心理・保育研修講師

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